長時間座ることが身体に良くないとわかっていても、「運動しているから大丈夫」と考えてしまう方は少なくありません。ですが、近年は、運動習慣の有無とは別に、長時間の座位そのものが健康リスクや慢性的な不調と関係することがわかってきています。この記事では、日本人の座位時間の実態や、「座りすぎ」の影響、日常生活の中で取り組めるアプローチまでを紹介します。
普段の生活を見直すきっかけにぜひ最後までご覧ください。
- 日本人の座位時間は世界と比較しても長い
- 「長時間座ること」によるリスク
- 「運動しているから大丈夫」と言い切れない理由
- 日常で取り入れやすい予防策
日本人は他国より座位時間が長い
「座りすぎは身体に悪い」と聞いたことがある方は決して少なくないでしょう。他国と比較をしても、日本人の座位時間は長いとされています。
世界20カ国を対象にした調査では、成人の日本人の総座位時間(平日)は約7時間という結果が出ており、これは調査対象国の中で座る時間が最も長い水準でした。
WHOは、成人に対して座位時間を減らし、その一部を身体活動へ置き換えることを勧めています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意する」と明記されています。
参考:World Health Organization「WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour」
参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
座位時間7時間超が意味すること|数字で見る「一日の流れ」
通勤、デスクワーク、食事、会議、帰宅後のリラックスタイムまで含めると、座位時間は思った以上に長いかもしれません。
たとえば、通勤で往復80分、勤務中に6時間、昼食で30分、帰宅後に1時間座って過ごすだけで、合計は9時間近く座っていることになります。
テレワークの場合は通勤時間が減るだけでなく、立ち上がるきっかけも減りやすく、結果として更に長時間座り続けてしまう人も少なくありません。

まずは自分の1日を振り返り、座位時間を見える化しましょう。正しく把握することが改善の第一歩になります。
なぜ日本人は座りすぎになりやすいのか
日本人が座りすぎになりやすい背景には、生活環境が大きく影響しています。
デスクワーク中心の働き方や、オンライン会議の増加、長めの通勤時間。更に、家庭内でも画面を見る時間が長いことなどが重なると、1日の大半を座った姿勢で過ごしやすくなります。
現代の生活が、意識しないと座位時間を増やしやすい構造になっているといっても過言ではありません。だからこそ、どうして座りすぎになってしまうのか、座りすぎの生活は身体にどんな影響を及ぼすのかなど、自分の生活と照らし合わせて理解し、行動を見直すことが大切です。
座りすぎによる身体への影響|筋肉と関節への影響
長時間座ったままの状態が続くと、下肢の筋活動の低下、血流の停滞、糖や脂質の代謝に不利な変化、そして腰や股関節まわりのこわばりなどに繋がりやすくなります。
下肢の筋活動低下がもたらす連鎖反応
座っている時間が長いと、太ももやふくらはぎといった大きな筋群の活動量が落ちます。こうした筋肉は、歩く・立つ・階段を上るといった動作で働き、血流やエネルギー代謝にも関わっています。
そのため、長時間座ったままの状態が続くと、下肢の血流は低下しやすくなり、身近なところでは足元の冷えなどに繋がります。
また、同じ姿勢を長く続けることで、腰や股関節まわりに負担がかかりやすくなります。立位より座位のほうが腰椎への負荷が高くなりやすいため、座りっぱなしが続くと「腰が重い」「立ち上がりでつらい」といっただるさにつながることがあります。
こわばりや痛みにつながるのはなぜ?
座った姿勢が長時間続くと、股関節の前側、もも裏、お尻、胸まわりなどが固まりやすくなります。すると、立つ、歩く、しゃがむ、腕を上げるといった日常動作で可動域が狭くなり、別の部位がその動きを補おうとします。
こうした状態が続くと、腰・肩・膝などに負担がかかりやすくなります。慢性的な肩こりや腰の重さがある場合、長時間の座位がその一因になっていることは十分に考えられます。
大切なのは、「座りすぎの影響は将来の病気リスクだけではない」ということです。いま感じているこわばりや不調も、長時間の座位と関係している可能性があります。
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「運動しているから大丈夫」は本当か?
ここまで読むと、「でも自分はジムに通っているし、ランニングもしているから大丈夫では?」と思う方もいるかもしれません。もちろん、運動習慣はとても大切です。ただし、それだけで長時間座位の影響が打ち消されるとは言い切れません。
十分に運動を行っていても、それ以外の時間の大半を座って過ごしていれば、ここまで挙げた座りすぎによる影響を受けている可能性があるのです。
一方で、仮に普段の生活で座る時間が長かったとしても、こまめに立ち上がることで軽減は見込めます。研究結果によると、「20分ごとに2分歩く」よう指示された人と「座り続ける」よう指示された人の比較では、「20分ごとに2分歩く」方の人の平均血糖と食後血糖が低くなりました。
参考:PubMed「Breaking up prolonged sitting reduces postprandial glucose and insulin responses」
健康的な毎日を送るために、適度な運動は大切です。一方で、運動だけすれば良いということはなく、生活の中で座りっぱなしになっていないかなど、日々の過ごし方も見直す必要もあるのです。
運動の効果を引き出すには、日中の座位時間にも目を向ける
長時間の座った姿勢により、身体にこわばりや痛みが強い状態で、いきなり強い運動を始めると、身体の特定の部分に負担がかかることがあります。運動を頑張っているのに腰や膝がつらい場合は、運動不足だけでなく、日中の姿勢や普段の身体の使い方も見直したほうがよいかもしれません。
まずは座ったままの時間を減らすこと、こまめに立ち上がること、歩く時間を増やすこと。そのうえで、無理のない範囲で運動を続けることが、結果として運動の効果を引き出しやすくします。
座りすぎによる不調を根本から改善する方法
ここからは、座りすぎになりやすい方に向けて、改善方法をご紹介します。
まずは「座りっぱなし」を中断する
すぐ取り入れやすいのは、定期的に立って動くことです。例えば、以下のような行動を取り入れてみましょう。
- 30〜60分に1回は立ち上がる
- 昼食後に5〜10分歩く
- エレベーターではなく階段を選ぶ
- テレワーク中は飲み物を取りに行く、定期的にお手洗いに行くなど「立つきっかけ」を作る
慢性的な不調があるなら、身体の使い方も見直して
立つ回数を増やすだけで、慢性的な腰の重さや股関節の硬さがすべて解決するとは限りません。不調がある場合は、姿勢、作業環境、柔軟性、筋力、歩き方など、身体の使い方そのものを見直すようにしましょう。
こうした場面でおすすめなのが「コンディショニング」です。
ナチュラルマッスルでは、日常生活の中での身体の不調やだるさなど、お悩みをお持ちの方に、身体の状態を確認してコンディショニングを行っています。なぜ不調が出るのかを見出し、適切なアプローチを実施。そしてその後も正しい状態が維持できるように簡単なトレーニングを行います。
座りすぎによる膝の違和感や下半身のこわばりは、前モモと裏モモのバランスを整えることで軽減できること可能性があります。
例えば、突然の膝の違和感を解消する方法として「前モモ圧し脚クルクル」があります。
【前モモ圧し脚クルクル】

「前モモ圧し脚クルクル」は、膝に近い箇所から前モモを圧して硬い(痛い)ところを探し、親指で圧えながら脚を左右にクルクルまわすリセットコンディショニングです。長時間の座位で硬くなった前モモの筋肉をリセットします。その後、レッグカールで裏モモの筋肉をトレーニングすることで、前モモと裏モモのバランスを整えることができます。
こうした「筋肉のアンバランスを解消し、固くなった筋肉の弾力を取り戻す」のが、ナチュラルマッスルのコンディショニングです。
以下のようなお悩みがある方におすすめです。
- 長時間座った後に膝や腰が重い
- 立ち上がるときに違和感がある
コンディショニングの流れや詳しい考え方については、以下ページもご覧ください。
座りすぎの問題を「知る」ことから始めよう
日本人の座りすぎは、数値でも示されています。そして、将来の病気リスクにも及ぶ影響もあります。更に、日々の身体の不調やこわばりも、座りすぎが影響している可能性もあります。
大切なのは、「運動しているから大丈夫」と過信せず、日々の生活を見直すことです。こまめに立つ、歩く時間を増やす、必要に応じて身体の使い方を見直す。こうした積み重ねが、座りすぎによる慢性的な不調を減らす第一歩になります。
座りっぱなしによる身体のこわばりや不調が気になる方は、まずはご自身の身体の状態を知ることから始めてみませんか。
